映画「男と女」 on Air
クロード・ルルーシュの恋愛映画の名作。フランシス・レイのボサノバ調のテーマ曲はきっと誰でも知っているくらい有名。今夜8時から BSで on Airします。
レーザー・ディスクもDVDも持ってるのに、on Airするとまたうれしくなって、見てしまう。この映画の魅力はいったい何なのだろう。
いまから50年位前(1966)の古典的恋愛映画。ジャン・ルイ・トランティニアン(男)とアヌーク・エーメ(女)が素敵。そして、やんちゃなピエール・バルーの歌もいい。フランス・ドーヴィルの冬の海辺。男と女の出会い。過去。それぞれの幼い子供たち。フォード・マスタング。レーサー。パリ・・・。大人の恋愛をこれ程、素敵に描いた映画を僕は知らない。監督は、クロード・ルルーシュ。
大学生の頃、映画館でやっと観た。けれどその前から、この映画の伝説については知っていた。二十数歳の若く無名だったルルーシュ監督が麻袋の中に「男と女」のフイルム缶を入れてカンヌへ乗り込む。一夜にして世界的に有名に。富を得た。カンヌ映画祭のパルムドール賞、アカデミー賞外国映画賞、脚本賞他、キラ星の受賞歴。
ルルーシュに、世界配給したワーナー・ブラザースからヨットが贈られた話など、エピソードにはことかかない。けれど、この映画が面白いのは二十代の青年ルルーシュが自分よりもはるか年上の男と女の恋を、熱を込めて描いていることだ。
憧れ。この映画を観ていると、「世界は恋してる」。戦争が終わって、高度成長期に入って、しかしまだ地球が若かった頃。現代のその青春時代に素敵な恋愛物語が生れたみたいだ。男の内面のドラマや、女のまだ癒えない愛の記憶、それらが華麗な映像テクニックで、素敵なケーキのように組み立てられている。ひとことで言えば「粋(いき)」。
un homme et une femme
人生に対する色気(いろけ)を、感じさせてくれる映画です。
最後ですが、カンヌに縁(ゆかり)ある故・今村昌平監督のご冥福をこころよりお祈り申し上げます。
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