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2006年5月24日 (水)

今日、こころ打たれたこと。

歳をとってから後悔しないようにと思い、「中高年のこころの健康学」という本を手にとった。今年88歳(!)の早稲田大学名誉教授・本明寛(もとあき・ひろし)氏がこの春、現役の健康心理学者としての知恵をまとめて上梓。本明氏からみれば、僕などまだ子供である。

その本の中で、阪神大震災に遭って、絶望的な状況を体験した中学生の文集(朝日新聞社編『中学生大震災作文集』から引用された文章に出会った。僕は中学生の息子を持つ親である。

(引用)

     私はいま、神戸から離れた祖母の家でこれを書いています。悲しい、としか文字が浮かびません。中学校生活は最高に楽しかったけれど、思い出すと悲しくなります。大切な友達の顔が浮かんで悲しくなります。悲しいのはみんな一緒なんだ、と時折自分を叱ります。私だけの辛さじゃないんだから。結局これも強がりだけど・・・・・・。いまは自分の心の中がごちゃごちゃです。ふと、これは夢じゃないのかと思います。でも現実なんだ。友達に会えません。変な気分。友達みんなへ、ありがとう。いままでありがとう。私の周りにいた人みんなへありがとう。みんなのおかげで私はここまでがんばれました。でもいまは一人でがんばらないといけないね。辛さに勝たないといけないね。たくさん書きたい気持ちがあって、変な文になってしまいました。いまの私の目標は、辛さをバネに強い心でいることです。

(引用 終わり)

彼女の胸の内を思うと、辛いものがある。しかし辛い最中で書かれたこの文章によって多くの人々が励まされるだろう。

どんなに困難なことがあったとしても、僕は彼女の言葉を忘れない。「辛さをバネに強いこころで」。そうありたい。

阪神大震災のことを、僕はテレビや新聞でしか知らなかった。けれどその震災を生き延びた中学生の言葉から、僕は多くを教わった。

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