2006年5月25日を、僕は忘れない。
香港映画で似たような台詞があった。映画の題名は思い出せない。若い男女が恋に落ち、男が女を口説く場面で使われていたと記憶する。それと遠い昔、女の子から手紙をもらって開封したら、白い便箋に一行だけ、「○月△日のことを、私は忘れない」と書かれてあった。なんだかドキドキした記憶。(何十年前のことだから、その女性は、きっと忘れているだろうね。)
さて、2006年5月25日を、僕は忘れない。それは給料日だから、と言う訳じゃない。
きっと、今日は未来からみて、僕の人生で特別な日になると思う。
特別なことがあった訳ではない。嫌なこともあった。けれど、今日は素晴らしい五月晴れで、仕事に満足し、家族と一緒の夕食を楽しんだ。緑が濃い、大気の乾いた一日だった。一日の終わり、今 窓辺から冷たい空気と静かな時が流れている。
数日前に読んだオーストリアの医師フランクル(アウシュビッツ強制収容所を奇跡的に生き抜いた)の著書『夜と霧』の中の一節を思い出した。
荒涼とした収容所内の水溜りに、夕暮れの燃えるような空が映っている。沈黙ののち、誰かが呟いたー「世界って、どうしてこんなに綺麗なのだろう・・・」と。
上手に伝えることは極めて難しいが、今日のことを僕は決して忘れないだろう。
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