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2006年5月15日 (月)

映画「ヒート」のこと。

先週 テレビで、大好きな映画「ヒート」を観た。

けれども、やはりノーカットでじっくり観たくなって、DVDを借りてきた。DVDで観ると、自分自身のこの映画の好きなポイントが判ってきて、面白かった。シーン・セレクションで繰り返し観たのは、LAの路上で繰り広げられる大銃撃シーンだった。

映画館で観た時も、このシーンの臨場感は、素晴らしかった。マシンガンから弾き出されてくる薬莢が、コンクリートの路面に乾いた音をたてて落ちるところなど、緻密な仕事をしているなあと感心した。マトリックスにも似たような描写があったけれど、大人とオタク程の開きがある。

しかし僕にとって、「ヒート」で一番魅力的なのは、ロバート・デ・ニーロの存在だった。1943年生れのデ・ニーロは、1995年のこの作品の時点では52歳だろうか。まず贅肉がない。ヘラヘラしない。普段は沈着冷静で、時に凶暴になるあたり・・・、これはデ・ニーロならではの凄みある演技である。本当にカッコいいなあ。

マイケル・マンという監督の名前も、この映画で覚えた。「アリ」(蟻、ではなく、モハメド・アリ)は劇場で観て長すぎたので、その後の「インサイダー」と「コラテラル」はDVDで買って観た。この二作品もとても良い。基本的に、男性的な監督だと思うけれども、女性の描写も、なかなか上手い。人間が描ける監督だと思う。

アル・パチーノ、ヴァル・TOP GUN・キルマーも、いい。

しかし考えてみると、この映画に出てくる男たちは、みーんな性格がどこか破綻している。そんな事にいま気がついた。十年前に観た映画をこうやって深めて観られるのは、ありがたいことだ。

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