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2006年6月 6日 (火)

フランシス・レイー恋心の旋律。

映画「男と女」のボサノバの名曲を造ったフランシス・レイ、「Love Story」(ある愛の詩)のテーマも彼です。

「男と女」を再見してから、ふたたびフランシス・レイの音楽がマイ・ブームになってしまった。彼の曲はクルマの運転にとてもよく合う。

Francis Lay を知らない若い世代の人たちは、恋愛、特に恋心と聞いてどのような音楽を連想するのか、興味ある。映画音楽のサウンド・トラックのように自分の日常や恋愛を彩るメイン・テーマを、きっと持っているに違いない。

フランシス・レイの曲は、一世を風靡した。ハリウッド・メジャーも彼の映画音楽を多用したから、世界中で彼の曲が流れたことは間違いない。1966年(「男と女」の年)から三十年間は、地球は「フランシス・レイ」の時代だった。

彼の音楽は、どこかパリの吟遊詩人っぽいところがある。アコーディオンがよく使われるからかもしれない。恋ごころをかきたてるような切ない旋律が彼の音楽の持ち味で、どこを切ってもフランシス・レイ節になるところが凄い。コンピュータが音楽づくりに加わる前の、最後の大作曲家かもしれないと思う。

ほとんど知られていない映画がある。日本題名で『別れの朝』(1971年フランス映画)。KING RECORDSからDVDが出ています。多分レンタルにはない。誰も知らない映画。けれどこの映画は一度観たら、忘れられない恋の映画。日本で数百人もこの映画を知る人はいないかもしれない。ぴあのシネマクラブ(辞典)にも、掲載されていない。しかし、この映画は生涯忘れられない映画になる・・・そういうたぐいの映画です。

フランス人貴族の娘と若いドイツ軍将校の禁じられた恋の物語。恐ろしいくらい濃密な激情と恋情が塗り込められている。この映画音楽もフランシス・レイです。

ジャン・ガブリエル・アルビコッコという監督。「金色の眼の女」(61)、「さすらいの青春」(66)、そしてこの「別れの朝」で忽然と消えてしまう。父親のキント・アルビコッコが撮影監督で、移動撮影、広角レンズ、逆光の撮影など不思議なしかし過剰に美しい画面をつくる。

時々、この映画が観たくなって、観てしまう。けれど本当は、この映画を「聴きたくて」僕は、DVDを観ているのかもしれない。

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