「ことばエネルギー」
季刊「広告」6月号(博報堂)の特集は、谷川俊太郎の詩から始まる。彼の詩「朝のリレー」はネスカフェのTVCMとして反響を呼んだ。(この詩の一部を引用しますー)
「朝のリレー」 谷川俊太郎
カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
・・・・・・
詩は続くー。ぼくらが朝をリレーしていくこと。それは交代で地球を守ること。眠る前のひととき耳を澄ませばどこか遠くで目覚時計のベルが鳴っている。それはあなたの送った朝を誰かがしっかりと受けとめた証拠である・・・。「集英社文庫・谷川 俊太郎 詩選集1」
映像が目に浮かんでくる。ことばの力は力強い。
◇
遅いお昼に、カツカレーを食べた。400円也。「昼のカツカレー」という詩を構想するー。
学生が学食にキャンパスに、溢れてた。僕は動物園の小動物たちの群れの只中にいる気がした。幸せな孤独。気温は夏。女の子の服装も夏の装いだ。弾む会話はヴァカンス前のリゾートのようだった。こういう元気さを社会がスポイルしてはいけない。心貧しい社会を変えるには、こういう元気が必要だから。やんちゃなまま社会人になっとくれ、君たち。「いちご白書」はまっぴらさ。
昼休みに図書館で本を手に取って、そこに冒頭の「朝のリレー」の詩があった。万分の一かの偶然の必然が働く。
コトバは偉大だ。だから素敵な使い方を僕は学びたい。
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