誰かに見られてる を深夜見てしまった
<SOMEONE TO WATCH OVER ME> が原題。リドリー・スコット監督の隠れた秀作。「エイリアン」の後、NYを舞台にしたロマンチック・サスペンスを仕上げた。原題はジャズのスタンダード・ナンバー。冒頭はスティングが歌う。“お洒落”という言葉はこの映画のためにある。
本家アメリカでもほとんど宣伝なしに公開された。しかしとてもエレガントでビターな大人の恋の物語。トム・「プラトーン」・べレンジャーがシャイでハンサムな刑事役。ミミ・ロジャーズはグレイス。べレンジャーの妻役の新人女優もいい。
大富豪の女性と護衛の刑事の短くも運命の恋。身分違いのディテイル描写が丁寧。それに夫婦の愛が協奏する。リドリー・スコットが「大人の恋はこういう風に描くものさ」と云ってるような余裕の仕上がりだ。
OpeningのNYの夜景の空撮は、リドリー自ら行ったという。クライスラー・ビルが銀の蜀台のように美しい。とにかく全てが美しい。不貞すらも。
しかし愛してしまうことは不貞だろうか?彼は奥さんも彼女も同時に愛した。しかるに愛はトラボ~・・・。つまり、べレンジャーは稀有な幸運に恵まれた男といえる。勝手にすれば・・・。けれど彼の切なそうな顔がいい。
そんなことは現実には滅多にないだろうから、この映画はケーキのように楽しめばよい。
禁断の蜜の味というものもある。
(霧雨の午後、歩きつかれてTULLY'Sでコーヒータイム。全身エビアン水を噴霧されたビジネスマンの僕。なので書いたのに公開し忘れた。人生なんてそんなもの)
| 固定リンク
コメント