リチャード・ニクソン暗殺を
企てた男。少し長過ぎる題名で損してる映画。THE ASSASSINATION OF RICHARD NIXONが原題。「ニクソン暗殺」でいいのに。
シーン・ペンSean Penn がいい。このキワモノめいた映画に聖性が宿るのは彼の神業のような入魂の演技のお陰。
実は優しく繊細な魂。それがいかに社会で傷つけられ孤立し追い詰められていくかがわかる。社会や人間の薄情な局面が緻密に描かれている。不器用な男は「不器用ですから・・・」と健さんのように言うでもなく才能開発tapeを聞いて勉強する。哀しくなる。
女性や子供には見せたくない映画。血の描き方がリアル。けれどそれは興味本意ではない。事実はこうだろう。だから怖い。
この映画が忘れがたいのは、シーンの孤独はきっと何十万分の一の確率で我が身に起こりうることだから。たった一人の女性に愛されるだけで彼は道を誤らなかったのに。
大勢の若者を死に追いやった政治家は罪を問われない。
なのにカフカの「審判」の犬のように殺される男のこころを、映画だけがそっと知らせてくれる。美しい旋律が流れる。人はそれを狂気と片付けたい。自分たち社会が生み出したものだから。
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