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2006年8月 7日 (月)

「CAST AWAY 」 トムの魂の遍歴

ゼメキス監督も、トム・ハンクスもマジだから、見る方にも覚悟がいる。ロビンソン・クルーソーの前半部はほとんど実験映画に近い。ロベール・ブレッソンの映画のように行動だけでサバイバル(生き残り)を試みるトムの姿をカットで積重ねる。バレーのボール、ウィルソン<相棒>が登場するまでは、正直きつい映画だった。きついのは映画がつまらないからではない。海外出張する度に7000万の保険をかけ続けた時期がある。幸いなことにその保険金は受取らずにすんだけど・・・。墜落シーンのリアリティは飛行機に乗る前には観ない方がよいくらい。

この映画が素晴らしいのは、絶望して死を選ぶ程追詰められた男が、生きることを目指す転換点を描いてる処。トムは呼吸するだけでいい、ただ生きることだけの道を選んだ。人生は過酷だが生きる意味を人は後に知る。

ここにはハリウッド流のハッピー・エンドはないが、人生の奇跡が映画の最後に用意されてる。

そよ風などは、天使の羽ばたきの仕業(しわざ)かも。生きることの尊さをこの映画は歌ってる。苦しく辛い歌でもそれは魂に染みいる歌声・・・。

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