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2006年9月 5日 (火)

黒いオルフェ ORFEU NEGRO

この映画なかりせば。ルイス・ボンファとアントニオ・カルロス・ジョビンのブラジルサンバの名曲はどこで生まれたろう?映画冒頭からサンバのリズムに圧倒される。そして永遠の名曲が魂をつかむ。

すべて黒人の主演者。しかも踊り続けるその素晴しさ。1959年のこの作品はきっと人類に永遠の歓喜と悲しみを伝え続けることだろう。(カンヌ映画祭パルム・ドール賞/アカデミー賞外国映画賞受賞作)

ジャン・コクトーの「オルフェ」(1949)にマルセル・カミュ監督はインスパイアされたとみた。コクトーの「オルフェ」は魔術。恐るべき映画。子供の頃この「オルフェ」を見て、鏡の向うに死の国が広がってると永らく僕は確信してた。詩人の魂は子供の魂を鷲掴みにする。

大人のカミュはリオ・デ・ジャネイロのカーニバルに死の国をつくりだす。芸術の創造にネオ・リアリズムが驚くべき奇跡を呼び込んだ。ゴーギャンがタヒチに魅せられたように、フランス人のカミュは第三世界のブラジルに魅入られた。

奇跡がフィルムに焼き付けられてる。

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