映画「父親たちの星条旗」の試写をみて
イーストウッドは立派な仕事をした。(ネタバレなし。ご安心を)。この映画に描かれた史実・歴史に対してさまざまなことを考えさせられたので、映画の巧拙を語るのは空しい。映画造りのプロに対し頭の下がる仕上がりである。
TVや週刊誌では「感動ものよ~」と、提灯持ちが持ち上げるだろうか。今回の硫黄島(イオウジマ)で全滅するのは日本兵。「パール・ハーバー」の時のように女の子が「感動しました」とは云えないだろう。
この映画で知ったことは幾つもある。戦争の資金調達などのサイド・ストーリーが興味深い。それにマーケティングの国アメリカの風土を知る手がかりもある。
映画のLOOKはモノクロームとカラーの中間の色合い。昔の着色された絵葉書のよう。それはこの映画が父親たちの心に刻まれた戦争の傷跡を扱ってるからか。凄惨な殺戮をこの色合いは多少は救ってる。それでも何度か薄目は必要だった。しかしこれが戦争の美化されない真実の姿でもあるのだろう。
戦争オタクには見てほしくない。戦争ごっこの好きな人間にも見てほしくない。この映画を嬉々として語る人とは、多分僕は友だちにはなれないだろう。こころの奥に仕舞っておきたい映画だった。
| 固定リンク
コメント
チャーリーさん、こんにちは!
TB&コメント有り難う御座いました。
私もTBさせて頂きました。
私も「父親たちの星条旗」と
「硫黄島からの手紙」は期待しています。
両陣営からみた戦争と巻き込まれていく
人々をイーストウッド監督がどれほどの
表現をされるのか。
新しい戦争映画の在り方になる事も少なか
らず期待してもいます。
今後とも宜しく御願い致します。
投稿: cocos | 2006年10月 7日 (土) 13時52分
cocosさん
楽しみにされてるcocosさんに硫黄島の映画をこれ以上語れないのが残念です。
イーストウッドが語りたかったことの中に、英雄(ヒーロー)は誰でもなく誰でもあった・・・という事がありそうです。台詞からも感じましたが・・・。
後は映画をみてからの楽しみに、とっておきましょうね。
投稿: チャーリー | 2006年10月 8日 (日) 09時06分