高円寺の濃ゆいビデオショップで
ポール・シュレーダー日本未公開作『Misima』と大島渚『絞死刑』を借りた。このショップAuviss(オービス)のアート系VHSコレクションは凄い。思わず店主に「すごいコレクションですね」と伝える。長い歳月かけて集めたという。仕事先の制作会社のご近所ということで会員に。⇒所在地
①『Mishima:A Life in Four Chapters』(121mins.)1985-WARNER HOME VIDEO(絶版)
スコセッシ「タクシー・ドライバー」の脚本家・P.シュレーダー脚本・監督。三島由紀夫の最後の日(1970.11.25)と彼の文学的生涯を絢爛たるスペクタクルに。美術・石岡瑛子氏。緒方拳始め、えっというような俳優・女優ずらり。市谷駐屯地での事件も克明に描写。三島文学の愛好者は必見。ポール・シュレイダーの知性はシャープ過ぎて少し危ない。音楽のフィリップ・グラスが異様な位いい。三島遺族の意向で日本では未公開。米国でもVHSは絶版である。アメリカ人が見るとも思えない・・・。
②『絞死刑』(119mins.)1968-TOHO VIDEO
大島渚監督atg(アートシアターギルド)作品。在日韓国人の死刑執行までを軸に死刑制度、民族差別問題、国家の問題などを不条理演劇のように描く。脚本の緻密さ、造ってる大島渚氏他大島組の制作、俳優陣の本気度が伺える。
大島渚はあの頃映画全盛期に遅れてきた青年だと思ってたが、今の時代の先駆的存在だったと悟る。DVDもVHSもなく映画が興行だけを収益源としてた時代に資金面でどれ程の苦労があったか?知性で作品を練りこんで造った感じがする。命を削ったのだ。
周防監督の新作冤罪裁判映画『それボク』(勝手に省略。ごめんなさい)のルーツを探った一本。周防監督がみてるかどうかは知らない。二つの映画には共通項がある。語らざるを得ないーその1点。
映画監督で『絞死刑』を見ないで済ませる人っているのかなあ?
見ないで済ませられる監督はお目出度き人である。
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