黒川紀章ー天才から学ぶこと
国立新美術館で「黒川紀章展」をみた。
名古屋時代、彼の建築である「名古屋市美術館」によく足を運んだ。自然光が気持ちよく館内に取り入れられ、心和む空間だった。「共生の思想」や「メタボリズム」「花数奇」といった彼のキー・ワードはどこか日本人のDNAに根ざしている。
RETROSPECTIVE OF KUROKAWA KISHO
大きな空間の中で、彼の思考の歴史を辿るのはいい体験だった。
天才は日々秀才である。本当の勉強家である。彼はデッサンを一日もかかしたことがないと以前読んだ。夥しいデッサンを見る機会に今回恵まれた。
世阿弥は「稽古事には一日も体を休ませてはいけない」と云った。黒澤明は「仕事は一日も休んではいけない」と語った。
稽古事や仕事というのは、会社にあるものではない。
黒川紀章の天才は、自らが有限の存在であることを知っている。壊れ年老いる肉体という容器の中で、時と競争してる気がした。
凡才であるボクはもっともっと時間を上手にコントロールしなくては。勉強しなくては。
出口で、日本刀を携えた黒川紀章 さんに気合を入れられた・・・。
神さまは誰にも公平に、時を与えてくださった。それをどのように使うかは、あなた次第。
◎黒川紀章氏のhpはこちら⇒ △
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コメント
今日は501回目ですね!
おめでとうございます。
100とか200とか、区切りのいい数字になぜ人間が惹かれるのか?
それはいつ頃からのことなのか?
追求してみたら何かできるかな、なんてことを思いました。
投稿: アリーバ | 2007年2月 1日 (木) 15時31分
実は、黒川氏か関与する会社に勤めていたことがある私です。
彼の精神が宿る企業・・・のはずなのですが、それを日々の仕事に具現化していくのは困難でした。
奇抜にも見える仕事を残している氏ですが、実際に作り上げた空間の中に身を置く機会はあまり多くもてないのが残念ですね。
建築だけでなく、どんなものごとでも、本当は、その場で本物に触れるべき、といつも私も考えてはいるのですが、そんなことさえも難しい凡人であります。
投稿: りやん | 2007年2月 1日 (木) 18時45分
アリーバさんへ
例えば、兵を養うこと千日、用いるは一朝にあり・・・でしたか、石の上にも三年とか三日坊主とか、七年目の浮気とか、いろいろ数字にまつわる節目ってありますね。
チャーリーは1000という数字にちょっと音速の壁を感じます。999、1000、1001となったら、千夜一夜物語を意識するのかも。
いつそれがやってくることやら・・・。
投稿: チャーリー | 2007年2月 1日 (木) 21時31分
りやんさんへ
黒川氏と仕事先であれ人生でクロスしたご経験のある りやんさんが、うらやましいです。
黒川紀章氏は建築家であるとともに思索家であり哲学者だと思いました。
それが凄いというより、絶対的な孤高の中で何かを産み出そうとする気迫が凄いと感じます。
彼を理解し支持できる思想の持ち主は、そうざらにいないでしょう。DNAのような螺旋建築模型をみてて、それを一般ピープルは正気と思えるかどうかです。
投稿: チャーリー | 2007年2月 1日 (木) 21時42分