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2007年4月29日 (日)

映画「バベル」は

二度とみたくない。だけど大人なら一度はみるべき映画。

(映画の楽しみを奪わぬよう、そのストーリーにはふれません。)

モロッコ、メキシコ、アメリカ、日本。見えない糸が紡がれてく善良な人間の愚かさが玉突き衝突を起こしていく様は、みていて哀しい。

菊池凛子演じるチエコの孤独が切ない。みて。さわって。愛して。日本の青少年の置かれた孤独がしっかり描かれてる。渋谷という街に集まる彼ら・彼女らが如何に愛に飢えた世界を生きてるか、その映像表現は鋭い。日本を重要な極点に取上げた理由がある。

ご贔屓のケイト・ブランシェット、ブラッド・ピット、いい。役所広司もいい。

坂本龍一のアルバム『04』track11の曲が絶妙に使われてる。

世界はみえざる処でつながっている。小さな愚かさが連鎖して人々は孤立と不安と悲しみと絶望の淵に立っている。

そういうことを、もはやハリウッド映画ではストーリー・テリングできないのだろう。何故なら、アメリカが信じてきたドグマは崩れてしまってるから。お金で魂は救済できない。

救助のヘリに乗り込むブラッド・ピットは付き添って献身的に動いたモロッコ青年ガイドにドルを財布から抜き出し渡そうとする。その手持ちで撮影されたワン・ショット。

人生のジグゾー・パズルに、無駄なピースなど一枚もない。

イニャリトゥ監督。メキシコから素晴しい才能が開花した。

『シェルタリング・スカイ』『イングリッシュ・ペイシェント』『ショート・カッツ』を再見したい。映画もまたどこかで共鳴し通じ合っている。

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