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2007年6月13日 (水)

映画「エンロン」は怖いドキュメンタリーだ

一緒に借りた「007 カジノ・ロワイヤル」が霞んでしまう程、恐ろしいドキュメンタリー映画だ。

実際に起きた超巨大企業・エンロンの崩壊を、さまざまな証言を交え、一部再現ドラマも織り込んで描いていく。その主要経営陣はモラルを喪失した頭の切れる連中で、空前の企業犯罪に溺れていく様は、正直恐ろしい。

人間はどこまで強欲になれるか?どこまでアンモラルになれるか?そういった事を考えさせる。ITバブルの頃、アメリカ経済は株価が右肩上がりに上がり、ニュー・エコノミーとグローバル・スタンダードに湧いた。

ストック・オプションや成果主義もアメリカ経済の力強さが背景としてあって日本に導入されたと思う。

でもこの虚飾、拝金主義はどうだ?知恵が強欲と結びつきモラルを失えば、“砂の城”は巨大化する。見えない処で崩壊の序曲が始まる。カタストロフィーという言葉に、この映画は実態を与える。モザイクのように事実の断片をつなぎ合せて、事の本質をあぶりだそうとしている。

「エンロン」は観るべき映画。誰が悪いかを描くというより、優秀な人間たちが狂っていく様が観れるから。巨額の売り抜けで泥舟から逃げた経営者のいる一方で、約二万人の従業員と株式投資家の巨万の富が失われた。

おもわず息を呑む。

そして、同じようなモラルなき企業や役所の不祥事が、この日本でも生じてる。

深く考えさせる映画である。

映画「エンロン」の公式hp ⇒ 

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