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2008年8月16日 (土)

映画「ノーカントリー」

コーエン兄弟のアカデミー賞受賞作「ノーカントリー」をDVDで観た。

とても面白かった。

(ネタバレはしません。)

暴力に彩られていると云えばいけるけど、もっと知的な映画。

神話的というか、寓話的というか、静謐な映画である。

黙示録的映画。

神、生と死、悪魔、デーモンなどを思いながら観終わる。

乾いたテキサスの風土のような映画だ。

現金、逃走、追っ手・・・定石のようなサスペンスの定番が、神話的な高みに至るのは、やはりコーエン兄弟の才。

ドラマに説明がない。説明がないまま観つづける。

人生と同じように。

そして、人生と同じように、不条理で、理不尽である。

カットのひとつひとつが鋭利である。

その鋭利さが素晴らしい。

一寸先が読めないドラマ。

人生がそうであるかのように。

ハリウッド映画のように、予定調和的なハッピーエンドはない。

そんな映画が世界の頂点に立つ。

日本のCMでおなじみのトミー・リー・ショーンズが、CMのキャラに近い処にいる。

それもまた味わいだった。

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