映画「ノーカントリー」
コーエン兄弟のアカデミー賞受賞作「ノーカントリー」をDVDで観た。
とても面白かった。
(ネタバレはしません。)
暴力に彩られていると云えばいけるけど、もっと知的な映画。
神話的というか、寓話的というか、静謐な映画である。
黙示録的映画。
神、生と死、悪魔、デーモンなどを思いながら観終わる。
乾いたテキサスの風土のような映画だ。
現金、逃走、追っ手・・・定石のようなサスペンスの定番が、神話的な高みに至るのは、やはりコーエン兄弟の才。
ドラマに説明がない。説明がないまま観つづける。
人生と同じように。
そして、人生と同じように、不条理で、理不尽である。
カットのひとつひとつが鋭利である。
その鋭利さが素晴らしい。
一寸先が読めないドラマ。
人生がそうであるかのように。
ハリウッド映画のように、予定調和的なハッピーエンドはない。
そんな映画が世界の頂点に立つ。
日本のCMでおなじみのトミー・リー・ショーンズが、CMのキャラに近い処にいる。
それもまた味わいだった。
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