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2008年8月 3日 (日)

スカイ・クロラ The Sky Crawlers

押井守監督の最新作「スカイ・クロラ」を、封切り初日に次男坊と観にいった。

(ネタバレしません、ストーリーにも言及しません。ご安心を。)

空中戦のレトロフューチャーでリアルな場面のTVCMをみて、あまり予備知識を入れないようにして鑑賞した。

知っておいて損がないのは、この映画に描かれる世界は、完全な平和を実現してて、企業間で「ショーとしての戦争」を行ってること。

そこで戦うのは“キルドレ”と呼ばれる思春期のまま永遠に行き続ける子供たち。但し戦死しなければ。

とても心動かされる映画だった。

深くて、繊細で、美的で、暗示的で、今の世界の頂点にたって世界を描いてる映画だった。

きっと世界中の人々がこの映画からさまざまなことを触発され、この現実を捉えなおすきっかけを得るだろう、と思った。

日本から世界へ、ではなく、最初から世界言語で組み立てられた創作である。

脱色され抑制された色彩の画面を通じて、何度も押井守と対話する自分がいた。

主人公の新任パイロット、函南優一(声:加瀬亮)は決してヒーローでもなく、たんたんと彼の生を生きている。しかし空で戦うバトルは激烈だ。

パイロット。

ボクもまた自分の人生のパイロットだなっと、ふと思った。

そう思うと、今の自分を取り巻く様々な問題・課題が、克服するべきものとしてみえてきた。決して被害者意識にならず、宿命として受け入れるべきものとして認識しようと思った。

映画を観ながら、自分の生きてるこの現実とダブってきた。

台詞で心に響いた言葉を、思わず書きとめた。

明日 死ぬかもいれない人間が 大人になる必要があるんでしょうか?

・・・

作品の世界観が深められており、一回観てそれで消費される類の映画ではなかった。

なので、わかりにくいと思われるかもしれない。

しかし、「わかる」ことと「感動する」ことは違う。

人は感動して初めて、「わかろう」と学び始める時がある。

これから何度も観ることだろう。

パンフレット(800円)は、とても充実してる約70頁の書籍だ。

そのofficial souvenir program bookは、学ぶべき世界のガイドブックになってくれることだろう。

オフィシャルHP

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