スカイ・クロラ The Sky Crawlers
押井守監督の最新作「スカイ・クロラ」を、封切り初日に次男坊と観にいった。
(ネタバレしません、ストーリーにも言及しません。ご安心を。)
空中戦のレトロフューチャーでリアルな場面のTVCMをみて、あまり予備知識を入れないようにして鑑賞した。
知っておいて損がないのは、この映画に描かれる世界は、完全な平和を実現してて、企業間で「ショーとしての戦争」を行ってること。
そこで戦うのは“キルドレ”と呼ばれる思春期のまま永遠に行き続ける子供たち。但し戦死しなければ。
とても心動かされる映画だった。
深くて、繊細で、美的で、暗示的で、今の世界の頂点にたって世界を描いてる映画だった。
きっと世界中の人々がこの映画からさまざまなことを触発され、この現実を捉えなおすきっかけを得るだろう、と思った。
日本から世界へ、ではなく、最初から世界言語で組み立てられた創作である。
脱色され抑制された色彩の画面を通じて、何度も押井守と対話する自分がいた。
主人公の新任パイロット、函南優一(声:加瀬亮)は決してヒーローでもなく、たんたんと彼の生を生きている。しかし空で戦うバトルは激烈だ。
パイロット。
ボクもまた自分の人生のパイロットだなっと、ふと思った。
そう思うと、今の自分を取り巻く様々な問題・課題が、克服するべきものとしてみえてきた。決して被害者意識にならず、宿命として受け入れるべきものとして認識しようと思った。
映画を観ながら、自分の生きてるこの現実とダブってきた。
台詞で心に響いた言葉を、思わず書きとめた。
ー明日 死ぬかもいれない人間が 大人になる必要があるんでしょうか?
・・・
作品の世界観が深められており、一回観てそれで消費される類の映画ではなかった。
なので、わかりにくいと思われるかもしれない。
しかし、「わかる」ことと「感動する」ことは違う。
人は感動して初めて、「わかろう」と学び始める時がある。
これから何度も観ることだろう。
パンフレット(800円)は、とても充実してる約70頁の書籍だ。
そのofficial souvenir program bookは、学ぶべき世界のガイドブックになってくれることだろう。
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