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2008年9月 6日 (土)

クローバーフィールド HAKAISHA

CLOVERFIELDというタイトルには優しい響きがあるけれど、映画ではマンハッタンが破壊されるノンストップ・リアルタイム・ドキュメンタリーの趣きである。

(ネタバレはいたしません、ご安心を)

9月5日にDVDが発売され、早速観た。

劇場では、あの手持ちカメラの揺れで、気分が悪くなるのでは?と思いDVD化を待っていた。それは正解だった。TVで観ると、さらにこの映画の魅力が増す。ビデオで撮られた設定が活きてくる。

これはビデオ時代の、いやビデオ時代でなければ生まれなかった映画作品である。

キャメラの揺れも、ビデオテープの乱れも、消し忘れ映像も、安易なズームも、ピンボケも、この「クローバーフィールド」ではうまく表現に収まっている。

こういう風に、ヘタウマに撮るのは難しいだろうな、とカメラを回すことのあるボクは思う。

破壊者に襲われた街を移動する主人公たちに、しっかり感情移入してしまえるのは、この手法のおかげだ。

とにかく面白い。

この映画に流れているのは、9.11やイラク戦等のメタ記憶である。

ただの映画ではないのは、時代性がそこに刻印されているからだ。

そしてニューヨーク!

ニューヨークを訪れた者は、あの都市の魅力に惹かれるに違いない。

初めて訪れた時、ヨーロッパの面影を、ボクは感じた。

だから破壊され行く街は、悪夢でとどまってほしいと、そう切に願う。

作り手は、短い平和時の消し忘れ映像で、そっとそれを伝えてる、かのようだ。

映画というものは、人類の妄想の宝庫でもある。

その妄想のプレゼンテーションが絶妙な映画の一本に、この「クローバーフィールド」はきっと選ばれるに違いない。

HP

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