黒澤明 「蜘蛛巣城」
昨晩のBSで黒澤明監督の「蜘蛛巣城」がOn Airされた。
何度も観た作品だけれど、HDDレコーダに記録した。繰返し観たいと思わせる映像のダイナミズムは、ある意味では黒澤明全盛期の作品であればこそ。
シェイクスピアの「マクベス」を翻案し、力強く想像力に満ちた作品に仕上がっている。
特に、弓矢。
弓矢が、コワイ!
日本の弓矢がこれ程、暴力的に使われた映画を、ボクはあまり知らない。
今でも、弓矢の音が耳にこびりついている。
映画のクライマックスに位置づけられる見所なので、ここではあかさないが、それは見事な見世物になっている。
それと最後の城塞の上で三船マクベスが演説するシーンの望遠レンズとマルチキャメラの使い方。映画を「写真」と云った通り、まさに力ある写真で、ヒトラーの記録映画を観ているようだった。
画面の中に塗り込められた群集や霧もまた、濃密である。
バーナムの森が動くまでは・・・という魔女の予言が当たって、森が動く。
最も映像化して成功した「動く森」は、黒澤の「蜘蛛巣城」だった。
世界のマエストロ、黒澤が頂点で光り輝いていた作品。
それをHDDで記録できる喜び。
世界文学全集のようにして、日本の青少年に伝承したい作品のひとつである。
映画の全盛期は、やっぱりモノクロームの時代なのだろうか・・・。
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