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2009年2月 2日 (月)

映画「チェ 39歳別れの手紙」

ソダーバーグの「チェ・ゲバラ」二部作の後編を観た。

前編がチェ・ゲバラの「希望の物語」とすれば、後編は「絶望の物語。

淡々と描かれて、物語というよりドキュメンタリーに近い感覚でみた。

二部作はコインの表裏のように明暗が際立ってる。

けれど、チェはぶれていない。

医者として働き、戦意を失った兵士を冷静に引締め、最後まで戦う。

おそらくは勝利を信じられない状況を冷静に把握しながら・・・。

エンドタイトル・ロールでは無音のままたくさんのスタッフ名が下から上へと流れた。音楽でエモーションが生じないように、とのソダーバーグの意図を感じた。

この映画に政治的な意図はない。そして逆説めくが、チェ・ゲバラの内面を描くつもりもないだろう。

チェ・ゲバラの28歳と39歳を選んで、彼がどこでどう生き、そしてどう死んだかを、正確に映像に定着しようと試みたものだろう。

木立の中で、本を読んでいるゲバラの姿が印象的だった。

見上げる木立が風にざわめく様に、ゲバラの絶望を思った。

この二部の後半、だんだんゲバラがキリストのようにみえてきた。

それはソダーバーグがそのように描いたというより、ゲバラがそうだったのだろう。

永らく記憶に残る二部作になるだろう。

おそらくDVDでは観ないし、購入しないだろう。

劇場でみた四時間以上の時の一滴が、自分の記憶に残っていってほしい。

●映画「チェ 28歳の革命」

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