映画「ワルキューレ」
ヒトラー暗殺計画の実話をトム・クルーズが演じた。
見応えあるドラマだった。
こんなに大規模な暗殺計画とは知らなかった。これが40位あったヒトラー暗殺計画の最後となり、この九ヶ月後にベルリンは陥落した。
トム・クルーズ演じるシュタウフェンベルク大佐の発案した“ワルキューレ作戦”はクーデターの規模。
この暗殺が未遂に終わった歴史を知っているので、どのように計画が破綻していくかをみることになる。
完全犯罪が僅かのズレから破綻していくのと同じ。
この暗殺計画にも様々な変数が重なり、未遂に終わった。
その過程が興味深い。
ヒトラーが頂点に立つナチのシステムは九ヵ月後に崩壊する。
しかしこの時点でまだそのシステムは機能してる。
それを転覆させようとするシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は変革者であり、その変革を実行し敗れた訳である。
しかし、敗れて無意味であったか?というと違う。
それが、歴史の深い真実だろう。
最後の最後に、シュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)の発する言葉が、映画の中に定着された事の意味。
知られなかった歴史の事実を、映画が世界に知らせる力。
トム・クルーズが費やした情熱は、そこにあるとボクは思う。
時代は変っても、世界はシステムとシステムとの覇権争い。
システムの矛盾に満ちた軋轢に満ちている。
そこで戦っている人々と、トムが演じたシュタウフェンベルク大佐には、どこかに共通項を見出せるのだろう。
何かのために戦った者という共通項が。
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