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2009年3月20日 (金)

映画「卒業」

昨晩BSで放映された懐かしい名作を、久しぶりに観た。

サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」「スカボロー・フェア」が印象的で、公開当時、サントラを買った。

ダスティン・ホフマンは、この映画でスターとなった。

マイク・二コルズ監督の演出は、今みても斬新で、舞台演出と映像主義がブレンドされ、この少し際どい物語を60年代の名作に仕立て上げることに成功した。(オスカー受賞。)

映画は変らない。

けれど人生は続く。

観ているこちらが成長してるので、映画の別の面を見出して、面白かった。

アン・バンクロフト演じるロビンソン夫人が、絶妙にうまい。

この映画はコメディのジャンルだが、60年代アメリカのミドルクラスの空疎感が、辛口で語られる。

映画の最後、バスの最後部座席のベンジャミンと花嫁姿のエレーン(キャサリン・ロス)。

興奮の余韻が去って、キャサリン・ロスが隣のベンをみる。

ー「この人、本当に大丈夫かしら?」

といった表情が浮かぶ。

ベンはいまだに卒業していない。

チャールズ・ウェッブの「THE GRADUATE」をペーパーバックで読んだ若い頃には気がつかなかった。

この映画の終わった処から、本当の人生は始まるはず。

二人が幸せになる、と思いたい自分がいる。

そのためには、ベンは本物の大人になって子供から「卒業」する必要がある。

それを果たしたと思いたい。

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