「戦力外通告」~プロ野球を「クビ」になった男たち
プロ野球選手にとって、ある日訪れる「戦力外通告」-それはクビを宣告されること。
プロ野球に全く詳しくないのに、この本に興味を持ったのは、逆境に直面したプロフェッショナルたちが、どのようにその逆境を克服し第二の人生を歩んでいったかを知りたかったから。
大越基、田中一徳、橋本清、石毛博史、野村克則、五人の選手たちの野球人生が描かれる。
栄光の時より、戦力外通告という苦境にどう対峙し、それを乗越えていったか?に主眼が置かれる。
軽い読み物風に記述されており、さらっと読める。
描かれた苦悩は、あるいはさらっとし過ぎてるかもしれない。
きっと爽やかさの裏には、深い苦しみと葛藤、そして悔し涙があったに違いない。
いくつかの印象的な言葉が残る。
田中一徳:「何も変わらないんであれば、成長はできないですよね」
橋本清:「家族を持ってからは違う。とにかく必死だった」
石毛博史:「自信だけなんだ。どうやって自信を取り戻すか。それだけのことだ」
野村克則:「今、ここに一生懸命ー」
非情な世界で、組織の矛盾、身体の故障、運命の悪戯、神様の与えた試練。
そんな中にあって、それでも前へ進もうとするプロたちの姿は、我々ビジネスマンにとって励みとなる。
野球のプロフェッショナルから、人生のプロフェッショナルへと成長していく。
その姿に打たれた。
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