3時10分、決断のとき
久しぶりに泣ける映画だった。
クリスチャン・ベイルのファンだから英雄でない彼がまた良かった。
やっと観れた。
(まだ観ていない人に映画の楽しみを損なわないように書きます。)
牧場主ダン(クリスチャン・べイル)は決してヒーローではない。
借金苦にあえいでる。
そんな彼が200ドルの報奨のために、強盗団の首領ベン(ラッセル・クロウ)の護送役を引き受ける。
3時10分ユマ行の列車に乗せるミッション。
原題は「3:10 TO YUMA」。
原題のままで良かったのに。
クリスチャン・ベイルは最初から決断してる。
守るべきものが何であるか?-最後に観客は知らされる。
男の友情の物語と宣伝されているけれど、実は違う。
男と男が共感する、認め合う瞬間が積重なって最後に大きなカタルシスに辿り着く。
男はそうでなくてはいけないさ。
そういう共感だ。
そこにあるのは、男という存在が家族の中でどうあるべきか?どうありたい存在なのか?という問いに答えるようなもの。
この映画は、実は屈折したホームドラマなのだ。
父と子のホームドラマである。
子は父親をロール・モデルとして育つもの。
けれど誰もが英雄であれるわけではない。
誰もが恵まれている境遇であるわけでもない。
特に現代においては。
男の原型が西部劇の古典的な枠組みを借りて語られる。
ヒーローではないクリスチャン・ベイルが、最後に英雄として昇華する。
そして実は現実社会で生きる大人の大半が、このクリスチャン・ベイルと同じ境遇にいる。
何のために戦うのか?
その問いに神話を呈示してくれる。
ひとりで観た。
果たして息子と安心して観ていられるだろうか。
自信ない。
男の神話を、一人で充填した。
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コメント
見終わった後、鼻のあたりが、キューンとしてしまいました(不覚にも泣いてしまいました)。こういう映画、僕は大好きです。
本年もよろしくお願いいたします。
投稿: まえなか | 2010年1月13日 (水) 01時19分
まえなかさん
まえなかさんに薦められなければ、見落としてしまっていた可能性大です。
観終わって、何年か後に再び、もう一度観てみたい映画です。
教えてくださり、どうもありがとうございました。
まだまだ、映画は、捨てたものではありませんね。
投稿: チャーリー | 2010年1月13日 (水) 12時09分