稲盛和夫「生き方」を読み終えて
月曜の朝、通勤電車で読み始め、火曜の帰宅途上の電車で読み終えた「生き方」。
奇しくも19日はJALが経営破綻した当日だった。
負債総額2兆3222億円。
新しいJALのCEO兼会長として稲盛和夫氏が2月1日に就任される。
「生き方」は2004年8月に初版が発行され、2007年6月には50万部突破を祝う会が催されたとネットで知る。
購入した本の帯には60万突破と記されてある。
五年間にじわじわと60万部を越えていったのか。
稲盛氏の体験を織り込んだ「生き方」の原理原則を、60万人の人々が読んでいると考えると、それはすごいと実感した。
世の中が変わりそうな気がしてくる。
読書体験としても稀有な書という印象をもった。
人が本当に信じる信念を書くと、こういう読後感を与えるものか。
それが実感だ。
読んでいる二日間、日常の雑事やメディアから流れてくる情報に対して、今までとは違う反応を自分がしていることに気づいた。
利他
その視点で、世界を眺める。
すると、今の日本では、利己が多い。
自分だけが良ければいい、得すればいいという考え方が多く見受けられる気がする。
あるいは、自分が勝者でありさえすれば・・・。
あるいは、そのバスに乗り遅れないように・・・。
そのバスに、他の人を乗せてあげようとする思いが置き忘れられている感じがして、反省する。
そんな気づきを与えてくれた「生き方」。
しばらく時間をおいて、再度精読してみたい。
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コメント
以前、日経新聞「私の履歴書」を読んだ時から、稲盛氏の根底にある人の係わり方に憧れ、自分もそれに近づく様にしているつもりです。それより何より、大切な友が、同じ物差しで暮らしている事が、とっても嬉しい。
自分さえ良ければ・・・が、当たり前の考えとして横行する比率が増している昨今。勝ち組、負け組なる差別的言葉も嫌いです。
チャーリーさん、多分貴方は勝者でしょう。又は勝者になりうる人。その勝者の喜びと美酒を、皆さんに分け与えて下さい。そしていつまでも、心情穏やか、尚且つ繊細な貴方でいて欲しいです。kei
投稿: 0094-Kei | 2010年1月21日 (木) 11時27分
keiさん
去年出会った言葉の中で、「荷風へようこそ」を著した持田叙子(のぶこ)氏の言葉を読み直すことがあります。たまたまTVをみていた時に出会って、ノートに書きとめた言葉です。
「知性とは冷静さ。自分の中でおだやかなリズムを維持していくことが冷静さ」
ビジネスマンとしての人生で冷静ではありえない事柄が続くのは日常的とはいえども、最近では徳ある世界ではありえない、損得だけの事柄が多くなってきた感があり、冷静であれと自分を戒める時に、この言葉を読み返すのです。
知性をもった大人でありたい。
そう思うので。
稲盛和夫氏の著書「生き方」には知性を持った大人が数々の試練に中で磨かれ、そこから発せられる智慧(ちえ)の言葉がキラキラとあるように思います。
それとチャーリーは勝者ではありませんよ。
たくさんの失敗とたくさんの敗北。戦いは連戦連敗の様相でして。
その中で生きのびることだけを考えて生きています。家族と友人知人と共に生きのびること。
勝者という言葉は、人生の最後の最後の時のために、とっておこうと思います。
投稿: チャーリー | 2010年1月23日 (土) 10時59分
生き抜くために 生きてこそ 生きる意味・・・その本読んでみようと思います。
投稿: はてな | 2010年2月 5日 (金) 22時45分
はてなさん
今、本屋で、稲盛氏の「生き方」が平積みされている光景を目にしたりします。
生き方について、世の中の大勢の人々が自問するその過程で、この本が静かに読みつがれているのでしょうか。
コメント頂き、うれしかったです。
どうもありがとうございます。
投稿: チャーリー | 2010年2月 6日 (土) 10時11分