おくりびと
映画「おくりびと」を、やっとDVDで観た。
テーマが重いのでは?と、観るのをためらっていた。
しかしこの機会にみて、本当に良かったと思う。
(映画のストーリーには深くふれませんので、ご安心ください。)
本木雅弘さん、広末涼子さん、そして山崎努氏。
脇役陣をふくめ、素晴らしかった。
言葉で簡単に片付けられない映画だから、いつまでも心に残る作品なのだろう。
生と死という深いテーマに沿いつつ、職業についての映画としても読める。
断片的な感想をいくつか。
これは、納棺師を天職とした男の物語。
リストラされたチェロ奏者がふるさと山形に戻る。
求人広告をみて、“旅のお手伝い”をするとあるNKエージェントの面接に出向き即、採用。
本当は、“旅立ちのお手伝い”の誤りだった。
NKは納棺の略・・・。
死というテーマを扱いつつも、ウィットある脚本(小山薫堂氏)に、救いがある。
一度は捨てたチェロもまた、彼の心を歌う楽器として、彼と共に生きていく。
そして親子の葛藤と情愛。
映画の終盤でふと思った。
人はみな、おくりびと。
そしていつか、おくりびとにおくられて、人は生を全うしたいもの。
もっと優しく慈しみに満ちた世界に向かおうとする方角に、この映画はある気がする。
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コメント
本当に良い映画ですよね。
観たのはだいぶ前のことですが、終わったあとにしばらく静かであったかい余韻が残っていたのを覚えています。
まだまだ先のことだけど、こんなふうにおくられる人は幸せだなと。
なんだかもう一度観たくなってきました^^
投稿: とーこ | 2010年1月30日 (土) 19時26分
とーこさん
きっと作者たち(監督、脚本家、俳優のみなさん)は、人間としての在り方について語りたかったのだろうと思います。
損得とか経済効率とは別の人生の在り方を、考えさせられました。
映画を観終わって、これ程語りにくい映画も稀でした。
ドラマが日本の風土(雪、山、川)を背景に進んでいるのも頷ける気がします。
風景には、日本人の死生観が投影されているのでしょうね。
投稿: チャーリー | 2010年1月31日 (日) 14時23分