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2010年2月19日 (金)

村上春樹氏の短編に再会 100パーセントの女の子

村上春樹氏の短編集「カンガルー日和」には、とても長いタイトルの短編が収められている。

4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて

そう題された短編をとても好きだった。

今でも手元にある「カンガルー日和」。

奥付には、1983.11.14 初版第9刷発行とあった。

1980年代の追憶。

二十数年間、この短編は心のどこかにずっと仕舞われていたらしい。

先日、次男坊の英語読解力の強化のために、英語のリーダーを買い求めた。

春休みに特訓をしてやろうーそう考えた。

その『CROWN English Reading New Edition』(三省堂)をパラパラと飛ばし読みしてふと目にとまったタイトルー。

On Seeing the 100% Perfect Girl One Beautiful April Morning

by Haruki Murakami

Img_2403 

短編との再会がうれしかった。

おもわず最後まで読んだ。

村上春樹氏の好きな表現は、例えばこんな風に訳されている。

ー「そしておきまりの運命の波が二人を翻弄することになる。」

The cold indifferent waves of fate proceeded to toss them unmercifully.

ー「しかし彼らの記憶の光は余りにも弱く、」

But the glow of their memories was far too weak,

ふたつの言語圏が100%の女の子を巡り融合していく。

その体験は素敵だった。

今年の4月のある晴れた朝に、と想像をめぐらした。

原宿の裏通りを歩いてみよう。

その時、80年代に出会ったボクの100パーセントの女の子は、道の向うから歩いてくるのだろうか?

それとも、ボクの隣りで、同じ方角へと歩いてくれているのだろうか?

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