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2010年3月17日 (水)

映画「不毛地帯」を観て

唐沢寿明さんの壱岐正と、映画「不毛地帯」の仲代達矢氏の壱岐正は全く違う。

映画ではFXを巡るドラマに絞られている。

ロッキード事件の影響もあって、映画「不毛地帯」は大ヒットしたらしい。

仲代達矢氏の壱岐正は、一言でいえば「軍人」。

情報戦を非情に戦い、戦には勝つというポリシーがある。

とらえどころのない不可思議な壱岐正を、仲代氏は好演した。

唐沢寿明さんは、むしろ清廉潔白だ。

実際どうかは別として、好ましいと思えるのは、そのキレイな部分。

仲代氏の壱岐正は、戦争を戦っている風情が色濃い。

どんな手段を使おうが、戦には勝つ。

実際の戦は、そうなのだろう。

その通りなのだろう。

昔の映画だが、大勢の大物俳優が熱演している「不毛地帯」を観るのは、二重の楽しみがあった。

TVや新聞では語れぬ真相を、あの時代は映画が密かに語っていた訳だ。

勿論、文学がそれを先導しえた時代。

古い映画こぞ、研究に値するかもしれない。

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