映画「不毛地帯」を観て
唐沢寿明さんの壱岐正と、映画「不毛地帯」の仲代達矢氏の壱岐正は全く違う。
映画ではFXを巡るドラマに絞られている。
ロッキード事件の影響もあって、映画「不毛地帯」は大ヒットしたらしい。
仲代達矢氏の壱岐正は、一言でいえば「軍人」。
情報戦を非情に戦い、戦には勝つというポリシーがある。
とらえどころのない不可思議な壱岐正を、仲代氏は好演した。
唐沢寿明さんは、むしろ清廉潔白だ。
実際どうかは別として、好ましいと思えるのは、そのキレイな部分。
仲代氏の壱岐正は、戦争を戦っている風情が色濃い。
どんな手段を使おうが、戦には勝つ。
実際の戦は、そうなのだろう。
その通りなのだろう。
昔の映画だが、大勢の大物俳優が熱演している「不毛地帯」を観るのは、二重の楽しみがあった。
TVや新聞では語れぬ真相を、あの時代は映画が密かに語っていた訳だ。
勿論、文学がそれを先導しえた時代。
古い映画こぞ、研究に値するかもしれない。
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