市川海老蔵 霧の旗
市川海老蔵さん現代劇初主演のTVドラマ「霧の旗」を観た。
松本清張生誕100年記念スペシャルドラマ(日テレ)。
相武紗季さんとの競演も期待だ。
海老蔵さんは、若くして高名な弁護士の傲慢さと、失意のどん底に落ちた男との双方を、その落差を見事に演じ、なかなかみせる。
華がある、というか、若い男の色気がある。
梨園の貴公子と時代の寵児としての弁護士役が重なって、その配役の妙がある。
相武紗季さんは、妖艶な女への変貌を演じ、これから女優として楽しみだ。
ドラマとは直接関係ないその顔のUPに、ドキッとする大人の女性の美しさがあった。
女性の二面性と怖さを感じさせる。
それが海老蔵を追い詰めていく。
そんな心理劇として面白かった。
もうひとりの女性ー戸田菜穂もまた、妖艶さを感じさせた。海老蔵を惹きこんでいるから、そう感じさせるのか。最後にこの二人に未来を感じさせない処まで演出の計算が働いているとすれば、見事な配役という他ない。
カンニング竹山、柳原加奈子の起用、中井貴一、津川雅彦の安定感もまた良かった。
松本清張のドラマには、独特の暗い情念がある。
登場する女性は女の業と宿命を負っている。
繰返しドラマ化される「霧の旗」、他の「霧の旗」も観てみたい。
市川海老蔵の「霧の旗」もまた、その系譜につながると言えるだろう。
そして相武紗季さんはいい仕事をものにした。
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