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2010年4月27日 (火)

ICレコーダの活用法

議事録を採るために購入したICレコーダを、久しぶりに使った。

議事録を作成する目的ではなく、難しい交渉事に対応するために、ICレコーダをお守りにしようと考えた。

交渉に臨む前に、自分の役割を明確にしておく。

当事者であることは違いないけれど、あえて当事者のエージェントであると自分自身に役割をふる。

エージェントであれば、余裕を持って、利害関係に対応することだろう。

相手の話を良く聞き、客観的に事態を把握する。

エージェント(私)は、それを当事者である私に報告する義務がある。

その報告の際に、ICレコーダを活用するのだ。

そうやって約50分の交渉事に臨んだ。

当事者(私)の内面には、感情が生起するので、感情というレンズで、時として話の経過を解釈しつつ、交渉を続けている。

交渉の推移を内面から捕捉している訳だ。

概ねエージェント(私)役を果すことができたようで、双方にとって有益な結論に辿り着くことができた。

それから数日経過した。

朝の通勤時に、そのICレコーダに収録された音声を再生してみた。

・・・・・・

自分が、どのようなリズムと声質で、相手に話しているか?

その話し方は、誠実であるのか?

余裕を感じさせるものであったか、否か?

約50分の交渉事を、客観的に聴く事ができた。

自分自身が務めるエージェント役を、ほぼ完璧に遂行していることに、驚いた。

客観的な音声には、当事者である自分の内面の感情の動きが現れていない。

だから難しい局面における話し合いも、穏やかに相手を思いやった発言が続いていた。

少し、自分で驚いた。

もう自分は、こういう交渉事に場慣れしているのだろうか?

それとも、事前に自分自身にエージェント役をふった成果だろうか?

・・・

間違いなく云えることは、この次も、自分を信頼して自らのエージェント役を自らに託すことだろう。

自分を信じられてよかった。

それが、うれしかった。

交渉事は、それがどのような交渉であろうとも、相手とのなんらかの縁が結ばれる。

その縁を上手にあるべき方向へと運んでいく。

双方が行う利害関係を調整していく。

外交においても、小さな交渉事であっても、シナリオがあるべきだ。

自らが迷走しないように。

目的や着地点を想定しておくように。

そして、人間の持つ「感情」を上手にオペレーションすることが、本当に一番難しい。

自分自身の「感情」をコントロールすることは、難しい事である。

その感情のレンズを、自分自身で外してみる。

それを、ICレコーダで試みる。

それは、きっと自分自身を知るいい機会になる。

数年前に購入したICレコーダは、今でも健在だ。

そんなICレコーダの活用法。

汝自身を知るための秘密兵器である。

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