ビジネスの発想法
金融コンサルタント・木村剛氏の新著「ビジネスの発想法」を読み終えた。
ビジネスの発想法に関するノウハウを語る本のような書名だが、実はとても熱い。
木村氏は日本銀行をスピン・アウトし、以来12年間、起業の修羅場を経験してこられた。
そのリスクをとって生き残ってきた経験から、日本ではビジネスの常識が教えられていないと痛感したと云う。
それが、この本の執筆動機となっている。
例えば、こんな視点が示される。
経営者は「おカネを払いながら働く立場」、社員は「おカネをもらいながら働く立場」。(P266)
成る程。
おカネを払いながら働くのが、経営者なのか。
経営者と社員は、決定的に異なる訳だ。
理論や概念よりも、これから起業する人に勇気を与え、そして決意を迫るるような思いが伝わってくる。
甘口の話ではない。
その厳しい口調に、どこか温かみを感じる。
上手くはいかないよーそれが経営さ、と云っている。
起業には使命感(ミッション)が最も大切であると説く。
そのミッションは絶対善でなくてはならない、とも説く。
絶対善・・・。
安易に起業するな、という自戒と、見る前に飛べ、とする行動力を示唆する本。
本当に心に残る本とは、矛盾と葛藤にまみれている。
それが人間、それが人生、だからだろう。
もう一回、再読します。
| 固定リンク
コメント