1Q84の読み方 石田衣良「約束」の読み方
1Q84 BOOK3をこの週末に読んでいる人は多いことだろう。
<1日1章を読めば一ヶ月楽しめる。>
ブロガーのmamiさんの記事を読んで、成る程それは良いアイデアだ。
読み終わってしまうよりも、読んでいる時間を大切にしたいから。
1Q84 BOOK3の10月から12月までを共に生きる感覚を楽しみたい。
そして日曜の朝ー。
村上春樹氏とは何の脈絡もなく、石田衣良氏の短編集「約束」に話は飛ぶ。
毎日走ってパンパンになった足を少しほぐしたくて、朝風呂に入ることにした。
廊下にある私設図書コーナーから、何か文庫本を持っていこう。
自分の読んでいない本の背表紙を眺めた。
選んだのは、石田衣良氏の短編集「約束」だった。
「かけがえのないものを失くしても、いつか人生に帰るときがくる」
そんなフレーズが帯に記され、解説には「絶対泣ける短編集」とあった。
湯船につかって読み始めた。
朝日が射しこむ湯船で筋肉の疲労がほぐれていく。
その短編集にある「青いエグジット」を読み進んだ。
片足を失った息子と希望を失った中年の父親が、微かに希望の光に至るまでの30頁あまりの短編。
よく知る高円寺駅の北口ロータリーから始まり、よく知るスキューバ・ダイビングが伏線として使われ、そして若い頃、自分のメッカだった伊豆海洋公園が後半の舞台となっている。
ぐいぐいと引き込まれ読み終わった。
石田衣良さんは、上手いなあ。
TVでみせる飄々とした風貌が甦る。
汗と共に、まぶたも潤った。
約一時間のバスタイムを終えた時、偶然に手にした文庫と今朝の至福を思う。
短編は、こういう読み方ができるのだなあ、と痛感した。
上質の短編と湯船は、疲れた心身を癒すことがある。
それは長編ではできない技なのだ。
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コメント
チャーリーさん、こんばんは☆
チャーリーさんも廊下に私的図書コーナーがおありなのですね。
実は私も廊下に一区画所有しています
1Q84はBOOK3の発売まで期間が空いたので
BOOK1から読み返す事に。
昨日からじっくり取りかかり読み始めました。
石田衣良さんの短編集は長編に取りかかる上で
心地良いウォーミングアップになりそうですね。
このたびは引用してくださりありがとうございました。
投稿: mami | 2010年4月20日 (火) 21時13分
mamiさん
BOOK1から再読するのは、正統的な「1Q84」の楽しみ方でしょうね。
1Q84年を生きるような読み方こそ、この作品に最も相応しいと思います。
きっと村上春樹さんが小説を書きながら生きた時間を共有することでもありますね。
投稿: チャーリー | 2010年4月22日 (木) 08時49分