【号泣シアター】 映画「ひまわり」
ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの映画「ひまわり」のリメイクは困難だろう。
それ位、イタリアを代表する名優の存在とその演技が光る。
映画を観始めて、まもなく歴史に立ち会っているという不思議な感覚を覚えた。
監督ビットリオ・デ・シーカの映画「ひまわり」自体、映画史に刻まれた名作だ。
イタリア喜劇と悲劇が織りなされ、戦争で夫と引き裂かれたソフィア・ローレン演じる女の哀しみが伝わってくる。
どの時代も、女性は男性の起した戦争に苦しめられ耐えて、生きたーそんな感慨を持つ。
それはロシアの女(「戦争と平和」でナターシャを演じた女優:リュドミラ・サベリーエワ)もまた同じ。彼女に何の罪があろうか。
マストロヤン二は、母権制の国イタリアならではの男優なのだ。
丘を埋める十字架の風景と対置される、見渡す限りの「ひまわり畑」。
物言わぬ向日葵は哀しい。
ヘンリー・マンシー二の哀しみの旋律が、また切ない。
そしてミラノ駅の別れ。
心に残る名作とは、この映画のこと。
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