村上春樹 「走ることについて語るときに僕の語ること」
村上春樹氏のメモワール「走ることについて語るときに僕の語ること」が文春文庫の6月新刊として出た。昨日の朝刊の書籍広告でそれを知った。
今ボクの手元には、奥付に2010年6月10日第1刷と記されたその本がある。
昨日の偶然の出会いで、一番うれしかったこと。
村上春樹流にいえば、それは「善きこと」の出会いだ。
走ることについて村上春樹氏が書くことを何より読みたいのは、自分もまた毎日ささやかながら走っているからです。
黄色い帯に印象的な言葉ー。
「少なくとも最後まで歩かなかった。」(引用おわり)
昨日は、前書きを読み、そして後書きを読んだ。
週末にかけて第1章から第9章まで、村上春樹に併走するするように大切に読み進めていこう。
「選択事項(オプショナル)としての苦しみ」と題された前書きに、あるマラソン・ランナーがレースの途中で自らを励ますために唱えるマントラについて語る箇所がある。それが前書きの題に引用されている以上、村上春樹氏にとって重要なキー・ワードであるに違いない。
Pain is inevitable. Suffering is optional.
「痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)」(引用おわり)
きついということは避けられないが、「もう駄目」かどうかは本人の裁量だという注釈を、村上氏はつけくわえる。
ボクは村上春樹が毎日走り続けていることの中に味わっていることを、とても小さな規模ではあるが、毎日「走る」ことを習慣としている自分の中に見出している。
職業小説家という職業以上に困難な職業が、果たしてあるだろうか?
「人は基本的には、なるべくしてランナーになるのだ。」(P71.引用おわり)
村上氏は「走る」事の中で、自らを維持している。さまざまな意味において。
そういうことが、今の自分を励ましてくれる。
支えになっていると云える。
今日もボクは走るだろう。
いつもと違うのは、走り終わった後に、村上さんの「走ることについて語るときに僕の語ること」を読むに違いないということだ。
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コメント
>「走る」事の中で、自らを維持している。さまざまな意味において。
これわかります!
走り出しはいろいろと考えて走っているのですが、
だんだん自分が研ぎ澄まされてくる感じがします。。
村上春樹さんの本、読んでみようかしらん。。
教えて頂いてありがとうございます。
今週末、ハーフマラソンに生まれて初めてチャレンジします♪
投稿: minmi | 2010年6月16日 (水) 14時01分
minmiさん
>今週末、ハーフマラソン初挑戦!
すごいですね~。
私は毎日4~5km、週に25km走るくらいの、ひよこランナーですが、走る習慣は大切な柱のひとつになっています。
村上氏のこの本には、ランナーとしての素直な言葉が豊富にあるので、きっとminmiさんにとって共感する箇所が多いのでは。
ハーフマラソンのお話、また聞かせてくださいね。
いい走り、納得する走りを祈っています。
投稿: チャーリー | 2010年6月17日 (木) 07時54分