映画「インセプション」
「バットマン」シリーズの『ダークナイト』(08)は稀にみる傑作だった。
ジョーカーを怪演(他界)したヒース・レジャー。大好きなクリスチャン・ベイル。そして卓越した映像的造形力の監督クリストファー・ノーラン。
この監督の名を『ダークナイト』で覚えた。
その監督クリストファー・ノーランの最新作「インセプション」、とても面白かった。
(映画の楽しみの妨げにならぬよう、別の角度から「インセプション」を語ります。ご安心を。)
クリストファー・ノーラン描く“夢”と“潜在意識”の物語である。
レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、女優マリオン・コティヤール(「パブリック・エネミーズ」)らの演技+独創的な映像造型によって、複雑な構成を力技でねじ伏せた知的エンターテインメントに仕上がっている。
例えば、ポップコーンが弾けるようなパリの街角の爆破シーンは美しい。
夢の中で変容する大都市の造型もまた、きっと何度も見たくなるだろう。
一回観て“わかる”映画ではないけれど、それはこの映画の魅力を損なうものではない。
映画は“夢”に近い体験を、時として与えてくれる。
猛暑の夏に、涼しいシアターに入って、2時間28分の夢をみる。
それはちょっと贅沢な夢の体験になる。
悪夢ではなく、愛の在りかを問う夢か。
タルコフスキーの『惑星ソラリス』や、スティーブン・ソダーバーグの『ソラリス』で味わった夢の味にそれは近かった。
唯一違うのは「インセプション」には、娯楽の王道がしっかり押えられていること。
つまり、ポップコーンと相性がいい映画であることだ。
しかし娯楽は“ふり”だけで、本当は芸術の域にある映画かもしれません。
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コメント
インセプション、もう観たのですね!
予告編をちらりと見て、観たいなーと、かなり興味を持っている映画です。
是非観に行ってみます☆
投稿: m point | 2010年7月25日 (日) 21時48分
m pointさん
いいシネコンで、涼みながらゆったりと楽しんでくださいね。
理屈や解釈の左脳を休ませてあげて、感覚やデザインの右脳で観る映画かも。
是非是非!
投稿: チャーリー | 2010年7月26日 (月) 07時56分