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2010年8月 2日 (月)

映画「借りぐらしのアリエッティ」

ジブリの最新作「借りぐらしのアリエッティ」を観た。

映画を観る時は、できるだけ事前情報を入れないようにしてスクリーンに向き合う。(ですから、ここではストーリー等にふれません。ご安心を。)

観る動機は、ただ単純にアリエッティは素敵だなと思ったから。

そしてその通り、アリエッティは魅力的だった。

自分の魅力に気づいていないアリエッティ・・・。

髪を後にクリップで束ねている時は、少女の中性的な魅力が現れる。

髪をほどくと、思春期直前の少女に大人の女性の魅力が暗示される。

とにかくこの映画のアリエッティは、可憐で素敵な造型だ。

アリエッティの家庭が幸せなのは、お父さんが軸のぶれない人だから。いつも何か仕事をしている。アリエッティはそんなお父さんを尊敬している。

一方の主人公の少年の家庭は壊れている。そして少年の心臓も問題を抱えている。

ハートに問題を抱えているというのは、物語の暗示的要素だろう。

少年が健康で恵まれた家庭に育っていたら、アリエッティに強く惹かれていくだろうか?

孤独な少年だからこそ、小さなアリエッティを守ろうとする。

生きる意欲が高まる時、きっとそこには愛がある。

映画を観終わって、ほくほくした気持ちでシアターを出た。

大勢の観客もまた満足げに席を立っていった。

心洗われる映画。

水彩画のタッチで描かれた夏の庭は、素晴らしい。

スクリーンに広がる緑の夏の庭の眺めは収穫だった。

なんのケレンも“あざとさ”もなく、淡々とひと夏のドラマが進んでいく。

自分の現実の夏のドラマもまた淡々と進んでいってほしい。

コメディでもトラジディでもない、ほのぼのとしたドラマで。

きっとこの夏の思い出のひとつに、「借りぐらしのアリエッティ」は加わることだろう。

●公式HP

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