職務経歴書
最近の転職市場では、職務経歴書の準備が当たり前になった。
この職務経歴書、起業や創業においても事業計画書に「キャリア」という形で記される。
新しい事(就職・起業)を成すとき、自分自身の棚卸しをすることは大切な作業である。
そうは判っているものの、ちょっと苦しい作業になった。
ゴーギャン畢生の大作のタイトルを思い出す。
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
Where Do We Come From? What Are We? Where Are We Going?
自分の人生を振り返って、どこから来て、何を成し、そしてどこへ向かおうとするのか?を整理しながら考える。
経験で得たもの、発揮しきれていない能力、そして解決すべき課題なども考えざるをえない。
自分自身を見詰めるように、人はできていない。
不完全な自分・・・。
自信満々で、自慢できる人間にはボクはなれそうにない・・・。
正直、骨の折れる作業だった。
十数年前に初めて転職を試みた時には、職務経歴書を書くことが楽しかった。
世界と自分の将来は、クリアにみえていた(そう思えていた)。
しかし今、自分が職務経歴書をまとめる段になって、辛い作業に変った。
それは何故だろう?
これは自分のカタログなのだから、割り切ってアピールできる項目で作成すればいいのに、何故こんなにやりたくない作業なのか?
それはおそらくこういうことだ。
自分の職業人生を振り返って、誇れることは少ない。
その多くはたくさんの敗北であって、会社の都合による人事異動、あるいはさまざまな軋轢が甦ってきた。
手に残った僅かばかりの勝利を、誇らしく語る気持ちになれない。
つまり、アピールなどしたくない気持ちがずっと続いているのだった。
それでも前に進むには、draft案をつくらなくてはならない。
そしてそれを何とか片付けた朝。
早起きして一応の完成を見た。
そのとき、書斎からみえた空は美しかった。
これで次に進める、そう思った。
少なくともボクは生き延びて、次を生きようと願っている。
一握りの僅かな勝利をポケットに隠し持ちながら・・・。
| 固定リンク
コメント