« 12月10日まで 街や海で | トップページ | うまいもん酒場 えこひいき »

2010年12月12日 (日)

シーシュポスの神話

アルベール・カミュの「シーシュポスの神話」を初めて読んだのは、今から三十数年前、学生時代のことだった。

不条理の作家と呼ばれたカミュは、当時、サルトルと並んで注目されるフランスの作家だった。

実存主義が語られる時代ー。

今の若い世代には、カミュは忘れ去られた作家なのだろうか?

小説「異邦人」も知らないかもしれない。

それはそれで自然なことなのかも。

時代は、かわる。

けれどカミュを知ってる世代のひとりとして、最近カミュを読みたいなと思ったことを記しておきたかった。

そしてこの数ページの哲学的エッセーを再読して、若い時よりもより深く心打たれたことを記しておきたかった。

神々がシーシュポスに課した刑罰は」で始まるこの哲学的エッセーが「いまや、シーシュポスは幸福なのだと想わねばならぬ」で終わるまでの数ページを、繰り返し読んで心に響くものは、たんなる情報やテーゼではない。

濃厚な深く育まれた何か。

それは海や太陽への愛で育まれ、運命や宿命を超克しようとする人間の、死や絶望を包含した在り方から来る何か。

二十代の頃より、さらに深く味わえる今が、うれしい。

そうなのだろう、

ボクもまた幸福なのだろう。

シーシュポスの神話 (新潮文庫)

|

« 12月10日まで 街や海で | トップページ | うまいもん酒場 えこひいき »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 12月10日まで 街や海で | トップページ | うまいもん酒場 えこひいき »