映画「ソーシャル・ネットワーク」
監督デビッド・フィンチャーの映画はいつも隅々までデザインされ、コントロールされ、しかも最新のコンピュータ技術やシネ・エンジニアリングが施されていて、好きだ。
facebookのマーク・ザッカーバーグを突き放して描きながら、そこにクリエイター(プログラマー)としての才覚、起業家としての成長を描いたのは、デビッド・フィンチャー自身を投影できるストーリーを、そこに見出したからではないか。
「エイリアン3」の酷評とトラブル、「セブン」から「ゾディアック」までの成功。そのほとんどの作品はコンピュータを導入してつくられたプログラミングされた映像作品だ。「ソーシャル・ネットワーク」でもHDカメラのレッド・ワンを使っていると云う。
facebookが100万人のカウントダウンを迎える草創期、二つの訴訟に対応する場面と過去が交互に描かれ、起業の物語としてみていて飽きない。
特にNapstarの設立者ショーン・パーカーと出会って、起業家として目覚めていくあたりが面白い。映画の設定ではショーン・パーカーから、ザッカーバーグは多くを学んでいる。
ザッカーバーグを突き放して描写する。
内面に深入りせず、facebookの拡大のためには周囲のリソースを動員していく姿を描く。
史上最年少のミリオネアの成功物語というよりも、不思議の国のアリスのようだ。
人間界の欲望のカレイド・スコープをみたのは、むしろザッカーバーグの方かもしれない。
本当に、彼はVAIOを使っているのだろうか?
ならば、もう一度VAIOに戻ろうか・・・。
そんなことが気になって、この映画、二度も観てしまった。
アントレプレナー的精神を持つ人には、お勧めの映画です。
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