全開ガール ヒロインの価値観
全開ガールのヒロインの価値観について考えた。
ガッキー演じる東大卒の国際弁護士をめざすヒロインは、シリーズ一回の冒頭で、リーマン・ショックを想起させるような外資撤退に直面する。
リーマン・ショック以前の価値観をヒロインは担ったまま、「全開」していくという構造がドラマの基本構造だ。
不思議の国のアリスのように、ガッキーは価値観の崩れかかったニッポンの中でさ迷う訳だが、ありがたいことに、視聴者には予定調和的な結末が予測できている。
水戸黄門のように。
もちろん、その印籠は、「愛こそすべて」。
一方、2000年の「やまとなでしこ」の頃は、松嶋菜々子さん演じるキャビン・アテンダントの玉の輿願望は、決して崩れかかった価値観ではなかったように思える。
あの時代には、素敵な王子様が現れて、(たとえその人がお金持ちでなくても、数学ではピカ一であったりして)最後にめでたしめでたしを、良しとする価値観が支配的だった。
まるで神話のように思えるのは、確か「やまとなでしこ」の最終回で(記憶ですが)、ニューヨークが舞台になっていて、あの9.11のワールド・トレーディング・センターが画面に映っていたから。
まだ世界は9.11の悲劇を経験する前だった。
けれど、たとえ傷ついた世界であったとしても、「愛こそすべて」というテーゼを支持したいのが、ドラマを見守る我々である。
「全開ガール」のガッキーは、きっと普遍的ではあるが彼女にとっては新しい価値観を獲得していくことだろう。
それはやはり彼女の冒険であり、今を生きている私たちにとっても励みとなるプロセスに違いない。
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