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2012年7月31日 (火)

クリス・マルケルの死に寄せて

映画監督のクリス・マルケル氏が91歳で亡くなったという報に接した。

わずか二十数分のモノクロームの静止画をモンタージュしたフォト・ロマンと呼ばれた作品、映画「ラ・ジュテ」は、後にテリー・ギリアム監督の手で「12モンキーズ」という長編劇映画に結実することになる。

第三次世界大戦と幼年期の記憶を持つ男のタイム・トラベルの物語だか、そこには愛が描かれ、人類の終末観が描かれ、なによりヨーロッパの文化の成熟を感じさせる。

そして、この映画の中には、映画と云うものはこれだ!と思わせる瞬間がある。

静止画が動く僅か数秒のシーンに初めて映画館でふれた時、ボクは奇跡をそこにみた。

そのような映画は、きっと映画史の幼年期の傑作として、歴史に残ることだろう。

今では、ネットでそれをみることができる。

しかし、できれば映画館の暗闇の中で。

せめてDVDなどで、現実の中に特別な時間として、位置づけたい。

映画「ラ・ジュテ」は、ボクにとって永遠のベスト・・ムービーです。

それはこれからも変わることはない。

そして、これからも短編小説を読むように何度も観ることでしょう。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

●映画「ラ・ジュテ」

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