立冬 シルキーモーニング

明け方、湘南には霧がたちこめていた。久しぶりの深い霧で、街灯もヘッドライトも美しく輝いていた。そして今日は立冬。冬の足音が聴こえてきた。大統領選の投開票が始まっているアメリカ。ニューヨークでは吹雪の可能性があるという。今夜には大統領選の帰趨も明らかになっていることだろう。世界の歯車がカチッと進む。ボクはこの秋が去る前に、秋を味わうことを考えている。自分の誕生日が近づいてきたので、今の歳を締めくくりたい。もちろん良いイメージでラッピングしたいものだ。同時に新たな歳の生き方を考える。アグレッシブではない生き方を考える。穏やかな日々の中で何かが完成していくイメージだ。ドイツの小話であったろうか、こんな話を思い出した。第一次世界大戦に敗れたドイツのことである。玩具会社に勤めている工員が帰宅してから納屋で工作を楽しんでいた。やがて納屋で完成したもの、それはメッサーシュミットという戦闘機だった。そしてアメリカのオハイオではオバマがリードしたという一報が入ってきた。立冬の一日が始まる。