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2012年11月10日 (土)

尾野真千子 悪女の場合 松本清張「疑惑」

NHKテレビ小説「カーネーション」のヒロインを演じた尾野真千子さんが、松本清張「疑惑」の悪女を演じた。

なかなかの見ものだった。

W主演を務めた常盤貴子さんも好演していた。

夫殺しで起訴された被告・鬼塚球磨子役の尾野さんと、その弁護士・佐原役の常盤さん、二人の“対決”である。

球磨子が夫殺しをしたに違いないとする世間の“疑惑”と、依頼人の球磨子に対してその弁護士が感じる“疑惑”が重なって、この作品の魅力は形成されている。

尾野真千子さんの悪女ぶりは、世間を敵にまわして生き抜いてきた薄幸の女性の無垢な一面を感じさせる処が、見事だ。

小賢しくない悪女である。

その女の妖艶ぶりを感じさせるあたりも、上手い。

夫役の柄本明がまた好演している。

尾野「球磨子」に、ぞっこんな感じが、上手い。

もう一度、吠える尾野「球磨子」の演技をみたいと思った。

このような悪女はいる。

しかし、悪女が時に聖女にみえるのは、尾野真千子さんだからであろう。

それを鏡のように引出したのが、常盤貴子さん。

女の持つ業を、W主演の女優たちが炙り出したのだ。

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