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2013年1月30日 (水)

【感謝2700回!】渡辺淳一 私の履歴書

このブログは今日で2700回目の記事となります。

そんなメルクマールの題材に、作家 渡辺淳一氏が日経新聞の朝刊に連載中の『私の履歴書』を取り上げるのは、一瞬躊躇するものがありました。

こんなに赤裸々に男女間のことを書いている『私の履歴書』ははじめてではないでしょうか?

渡辺淳一氏は、おそらく確信犯的にそうしているにちがいありません。

例えば、日経新聞の朝刊の駅売りの売り上げが伸びる、とか。

作家的野心を抱いていらっしゃると推測します。

「失楽園」その他の日経新聞連載の新聞小説のメガヒットは、中高年のあまり素敵ではない欲望の末路の物語で、日経新聞読者が支えたもの。

ボクは常々、そこに描かれる女性像が、演歌の世界と同じように、男性が自らの欲望を投影したものであると感じていた。

銀座のクラブに通うがために、頑張って売れる小説を書いたと、今朝の『私の履歴書』には書かれている。

本当に、正直で、無防備な渡辺淳一氏。

あるいは、したたかな渡辺淳一氏だ。

そのモラリティのなさに、ほとんど笑ながら読んでいるボクは、おそらく渡辺淳一氏を支える愛読者ではないのだろう。

自分の欲望に方法的懐疑を持たない処は、故・川上宗薫氏に相通じるかもしれない。

しかし、売れるということは、そういうことなのだ。

大衆の欲望を映し出したものが映画である、とアンドレ・バザンは述べたけれど、渡辺淳一氏の原作はいくつも映画化されている。

その映画をDVDで観て、ニッポンには役所氏しか男優はいないのか?とか黒木瞳さんはあんなに愚かであろうか?と、あきれて観ているボクもまた、悲しい位に一般大衆です。

そんなことを2700回に記したのは、ボクの目指している世界とは対極の世界を、渡辺淳一氏が描いておられるなあ、ということがわかったからです。

あなたの履歴書は、ノーサンキュー、素敵くありません。

でも、こわいものみたさで、読んでしまうでしょう。

●【感謝2600回!】爽やかな秋に

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