伊集院静の「贈る言葉」 その読後感
昨晩仕事を終えて、さっそく書店でこの本を購入し、帰りの電車で読みだした。
そして今朝読み終えた。
2000年から2012年の間、成人の日の一月と、新社会人が入社する四月に、サントリーの新聞広告で読んできた伊集院静氏の文章がまとめられている。
その集大成を読んでみて、あらためて伊集院静氏の変らぬ想いが伝わってくる。
「君の胸の中に一本の木はあるか」という序章に始まり、「二十歳の君へ」の章と「働く君へ」の章で構成されている。
「二十歳の君へ」の章と「働く君へ」の章では、文章の見出しが伊集院氏のペン字で記されている。
「二十歳の君へ」の章は、次の見出しで構成されている。
主張せよ。 君は誰ですか。 二十歳のポケット。 新しい君の手に。 君の目に映るもの。
二十歳の青空。 平然と生きる人であれ。 世界を見よう。真実を知ろう。 パパとおやじから。
風の中に立ちなさい。 孤独を学べ。
「働く君へ」の章は、次の見出しで構成されている。
空っぽのグラス諸君。 抵抗せよ。すぐに役立つ人になるな。 熱い人になれ。 誇り高きゼロであれ。
生きる力をくれたまえ。 人がまずあるのだ。 豊かな森を作ろう。 仕事の喜びとは何か?
その仕事はともに生きるためにあるか。 千載一遇。汗をかこう。誇りと品格を持て。
ハガネのように花のように。 落ちるリンゴを待つな。
特に「ハガネのように花のように」は、東日本大震災直後の2011年4月1日に掲載された文章である。
伊集院さんもまた、オヤジのように息子たちに語りかけている。
文章のチカラを借りて、面と向かって語りえないことを語っている。
本当の事を。
伝えるべき事を。
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