餞別
次男坊が友人とふたりで旅に出た。
和歌山県の ある島を訪れる旅らしい。
二泊三日で、宿も新幹線の予約も自分たちでやった。
「自立」というコトバを思い浮かべた。 青年は荒野をめざす。
バイトて貯めたお金でいくから、次男坊に提供してあげたのは旅行鞄くらいだ。
「餞別 やるからな」
すると、次男坊は云った。
「せんべつって、なあに?」
ほう、知らないのか。
「調べてみな」
しばらく経って「わかったか」と聞いたら、「お気持ちだけありがたく頂く」と返事した。
昨晩、気持ちをつつんだ。
餞別 を止めて「軍資金」と記して渡した。
うれしそうに受けとったが「これはそのまま持ち帰るようにします」という。
今朝、同じ電車に乗るために、一緒に家を出た。
「軍資金は必要に応じて使うんだよ。旅先で美味いものを食べろ な?」
「わかった」
餞別としなかったのは、三日後に必ず元気に帰還してほしいから。
無事に、というコトバがあるけれど、旅に無事はそぐわない。
いい旅を!
そう願う。
| 固定リンク
コメント