新刊「村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』をどう読むか」
河出書房新社から、村上春樹さんの最新作よりも長い書名の評論集が出た。
6月30日初版発行とあるから、ボクはあるいは最初に手にとったひとりかもしれない。
世界で最初に村上春樹さんの『多崎つくる(以下、同じ)』を読み終えたひとりとして、やはり他の人がどのように読んだのかに興味があった。
29人の論客が、論じている。
おそらく論じるに足る小説なのだ。
29の視点について、ここではふれないが、自分が読みとった事、気づかないでいた事等があって、興味深い。
100万人の読者は、どのような感想を持ったのだろうか?
恵比寿のバーでは、モヒートが売れているだろうか?
新宿の9番線ホームには、聖地巡礼の人々が売店で買ったコーヒーを手に佇んでいるだろうか?
「一日に延べ三百五十万に近い数の人々がこの駅を通過していく」と村上春樹さんが書いた新宿駅。
その三分の一の人々が『多崎つくる』を携えている。
すごい事だ。
ボクにはボクの読み方がある。
それを、いずれ文章にしよう。
この夏が終わる前に。
『多崎つくる』のことを考えよう。
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