映画「トゥ・ザ・ワンダー」
この映画を誰にでも勧められないのは、これが芸術の領域の作品だから。
映画という資本のかかるアートワークで、この作品が生まれたのは、テレンス・マリック監督のこれまでの業績によるところが大きい。
次は?
次は、ここまで自由につくれないかもしれない。
美術展に行くようなもの。
映画は誰もが楽しめるもの、という約束に、あるいはそんな幻想に、この作品はくみしない。
要するに、映画という形式で紡がれたタペストリーなのだ。
そのタペストリーには、愛の、信仰の、葛藤と、世界の美しさと汚染される自然が紡がれる。
オルガ・キュリレンコ。
この映画のミューズ。
彼女を観ることが、この映画の歓びだと割り切れば、いい。
あるいは、今、恋愛に苦しむ人々に、慰めがあるかもしれない。
それでもなお、ボクはこの映画を観れて良かった。
この猛暑に、映画館に辿り着くことが、如何に勇気のいることだったか。
それを果たせて、うれしい。
今でも、恋愛をしっかり皆は、しているだろうか?
きっと恋愛を語らせれば、その人の本質的な何かが表現されるだろう。
その本質的な何かが、生きていて、最も興味深い何かだ。
この映画には、それがある。
だから、誰にでも勧められない映画なのだ。
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