半沢直樹 その結末
あの結末をどうみるか。
少し後味が悪かった。
それは、おそらく演出のせいだ。
エクセレントではない終わり方。
半沢直樹の眼のUPで終わった。
そのクロースUPの秒数が、ラストカットにしては僅かに短い。
ブツッ、とした感じが残った。
CMがその後続いた。
〆のエピソードが、その後続くかと思っていたら、新番組の予告が入った。
ああ、あれで終わりだったのだ。
そう知って驚いた。
映画ならば、失格だろう。
はたして半沢直樹は、どうだったのか?
悔しかったのか?
意外だったのか?
それが判らぬまま、とっとと終わってしまった。
彼の人事が、昇進である筈などない。
そんなこと位、ドラマの終盤をみていればわかっていた。
しかし肝心の半沢直樹は、はたして昇進を望んでいたのか?
昇進を望む人間のやり方というものがある。
取締役会での自らの行い。
その代償は、エリート行員ならば充分承知していたはずだ。
最終回の演出で秀逸であった取締役会のシークエンス。
それは見事だった。
しかし、父親の回想シーンの挟み方にしろ、近藤を許すシーンにしろ、“半沢直樹らしく”ない場面もいくつかあった。
例えば、近藤を許すことは、自らの銀行マンとしての倫理に抵触するはずだ。
出向先を切り捨て、自らの昇進を優先する・・・それは、“半沢直樹的”職業倫理がしてはならなかったこと。
最終回には、あれっ、あれっ、という違和感が他にも散見された。
倍返しでなくてもいい。
半返しでもいい。
相手に逃げ道を用意してあげてもいいくらいだ。
しかし筋は通さねば。
そうしなければ、大和田常務と同じこと。
組織人としての生き方、あるいは、一匹狼としての生き方を、このドラマはボクに考えさせてくれた。
良いドラマは、そのようなチカラを持つ。
そして半沢直樹は、そんなドラマであったのだ。
だから、惜しい。
本当に惜しい。
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