カティーサーク
村上春樹さんの小説『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の主人公、多崎つくるが飲むウィスキーは、「カティーサーク」である。
多崎つくるは、焼酎も、日本酒も飲まない。
少なくとも、小説の中では。
多崎つくるが飲むのは、ハイボールであり、フィンランドでは赤ワインだ。
ヒロイン・木元紗羅が飲むのは、モヒートであり、ナパのカベルネ・ソーヴィ二ヨンであり、赤ワインのカラフェである。
その影響もあってか、ボクは、ここの処、ウィスキーは、カティーサークを買ってしまう。
ところで、あまたあるスコッチの中で、何故、カティーサークなのか?
小説を書く過程で、偶然「カティーサーク」である、という訳ではないだろう。
「カティーサーク」。
そのラベルには、次のようなコピーが記されている。
CUTTY SARK
BLENDED SCOTCH WHISKY
The spirit of adventure lives in us all.
It is the courage of our convictions, the mark of true character and the desire to be defferent.
It is the original easy-drining scotch.
SCOTLAND
ここにも、多崎つくるの小説の秘密が語られている。
そのようなことを発見する楽しみを、村上春樹さんは提供している、ということだろう。
2014年に英訳された<Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage>が発売される。
それが今から楽しみだ。
その時、TsukuruとSaraは、きっとインターナショナルなキャラクターになるのだろう。
それを想定して、村上春樹さんは、日本酒や焼酎や味噌煮込みうどんを小説の中には登場させないのだろうか?
おそらく。
たぶん。
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